フォルサ×静岡産業大学戦レポート

全日本大学フットサル大会 2006 西日本大会決勝戦は素晴らしい熱戦となった。

「フットサルをやってるチームとして負けたくなかった」とフォルサ?山本が振り返れば、橋谷監督が「フットサルをするな。ミニサッカーで対抗すればいい」と送り出した静岡産業は圧倒的な個人技を武器に応酬。ゲームは追いつ、追われつの白熱した展開となった。

●前半、静岡先制も、フォルサが逆転
前半、立ち上がりからフォルサがボールを支配。静岡産業を自陣に釘付け状態にする。たまにボールを持つ静岡産業は前への出しどころがなく、後ろで回すのみ。稀にサイドでの仕掛けがある程度。

　しかし先制は静岡学園だった。５分、左からのコーナーキックを?望月が中央で合わせて先制。ワンチャンスを生かした静岡はファーストシュートが先制のゴールとなった。

　しかし約１分後にフォルサも追いつく。左サイドから右サイドに振ったボールを?吉川がグラウンダーで決める。１?１、同点。

　フォルサは12分にも右サイド?鴨が思い切りのよいシュートを放つと、静岡産業はキャプテンでチームを盛り上げ続けたゴレイロの?安浪がはじききれずに、ボールはゴールに収まる。２?１、フォルサが逆転して前半を折り返す。

●静岡逆転、フォルサも意地の同点弾
後半の立ち上がりは逆に静岡産業がゲームを支配。この日の登録人数が８人、準決勝から(若干時間が空いたものの)連戦となった静岡は前半は抑えながらのゲームだったようで、後半は開始から、スイッチが入ったかのように、鋭くボールに寄せ、マイボールにしてしまう。

　22分、左サイドでボールをキープした?前島が、中央から左前に駆け抜ける?望月へ。ボールを受けた望月がゴレイロの股を抜くシュートで、２?２。今度は静岡産業が同点に追いつく。

　それでも、的確なポジションチェンジと、フットサルらしい、リスクの少ないボール回しで徐々にリズムを掴み返したフォルサは、６分、右サイド、ピヴォに当てて走り込んだ?山本が２人に寄せられながらも一瞬早くトゥでゴールに突き刺し、３?２。
　いかにもフットサルチームらしい、綺麗なピヴォ当てで、フォルサが再びリードを奪う。

　しかし「うまかったですね。予想できないボールタッチや、セオリーにない攻撃で守りにくかった。しんどかった」とフォルサ?鴨が話したように、静岡は得意の個人技でゴリゴリと崩しにかかる。
29分、静岡は中央やや右の位置で、?鈴木が縦パスを通すと、受けた?望月が決めて、３?３。同点に追いつくと、わずか９秒後、左サイドから中央に切り込んだ?鈴木が今度は自分で決めて、４?３。静岡産業が試合をひっくり返してしまう。

　一気にリズムを失いかねない鮮やかな静岡の逆転劇だったが、さすがのフォルサもたくましかった。
30分、右サイドを粘った?小仲が中央に折り返すと、?吉川がフリーで走り込み、倒れ込みながらもシュートをゴールに流し込む。４?４。再びフォルサが追いつくと、その後は両ゴレイロのファインセーブもあり、同点で試合終了。勝負はPK戦へと持ち越された。

●山本、大森、小仲、最後は北垣！
PK戦。先行はフォルサ。１本目を山本、２本目を大森。選手権出場が決まっても引退が決まっている選手たちが確実に決めて、後輩たちにバトンを譲る。
　対する静岡は２人目の?鈴木が右に外す。しかしフォルサも３人目の?田代が外してしまう。
　静岡の３人目、エースの?木戸。しかし木戸のシュートをフォルサゴレイロ?井上が足に当て、気迫のセーブ！を見せたが、早く動いたとの判定で非情のやり直し。それでも「一度止めたので、もう一度止めないと損だと思った」と話した井上がやり直しのシュートも同じように足で弾き返した。
　４人目はフォルサ?小仲、静岡?前島が決め、５人目に回る。
　フォルサのキッカーは?北垣。決めれば優勝。という大事なシュートを思い切りよく決めると、その場で、大きく吼えながらガッツポーズ。そこに立役者の?井上、後ろから、?鴨、?山本らが次々と祝福に駆けつけ、歓喜の輪をつくった。

　フォルサ優勝。第12回全日本フットサル選手権大会出場１番乗りだ。

●フォルサキャプテン?鴨選手のコメント
今の感想は？「嬉しい。去年サッカー部に負けて悔しい思いをしていたので今年はなんとしても勝ちたかった。最後はPKですけど、(勝てて)すごい良かった」
相手の静岡産業の感想は？「準決勝を見て、テクニックがあるのはわかった。引いて守ったときに攻めあぐねるところがあった。うまかったですね。予想できないボールタッチやセオリーにない攻撃で守るのが難しかった」
逆転されて焦りはなかった？「どうしようもないくらいリズムを失いましたね。少しずつ(リズムを)戻せて同点にできた。相手の同点のときに抑えておきたかったですね。(最後の得点)吉川がいいところで決めてくれた。(アシストの)小仲も去年のケガからようやく復帰して、これからも楽しみです」
PK戦のときの心境は？「気持ちを強く持った。強い気持ちを持った方が勝つと思ったので。キッカーは蹴りたい人が手を上げた」
選手権での目標は？「もう一つ大きな舞台で、フォルサの名前を全国に知らしめたい。関東や東海、北海道などの強豪チームとできるのも楽しみ。チャンスはあると思うので、勝点３を狙っていきたい」

●フォルサ?山本選手のコメント
感想は？「フットサルをやってるチームとして負けたくなかった。意地があった。勝ちたかった。勝ってホッとしてます。良かった」
選手権での目標は？「ボクは引退していないんです。チームとしてはすごく楽しみ。もちろん観に行きます。２回生がすごいレベルアップしていて、今までで一番強いと思う。全国の舞台で暴れてくれると思うし、今のチームならひょっとして結果も出してしまうのでは？と期待しています」

●静岡産業大学・橋谷監督のコメント
準優勝の感想は？「チームをつくってまだ１週間。はじめフォルサのようなフットサルをしているチームに対してどうかと思った。フットサルはするな。ミニサッカーで対抗すればいいと伝えた。形にはめず、自由にやらせた。試合を重ねるごとによくなった。負けたけど、(良い)結果なんじゃないかと思う」
どんなメンバー構成なんでしょう？「トップから５人選手を借りることができた。でもそのうち二人はケガをしてしまった。あとは、Bチーム、Cチームから集めた。コーチ陣は『ケガをするから行かしたくない』と言ったけど、総監督が『勉強になるから行って来い』と言ってくれた。そういう協力あってのこの結果だと思います。全国に行ければ(恩返しができたので)本当に悔しいですけどね」
フォルサの感想は？「雑誌などで見て名前は知っていた。やっぱりしっかりしていて守備や組織のレベルが高い。?など、光る選手もいました。内は１対１に強いから、サイドなどで仕掛けていくことが狙いでした。全日本では頑張って欲しいですね。僕はエマーソンのゴレイロをしてるので、エマーソンで出場して倒したいですね」

●優勝した「神戸大学フットサル部FORCA」

●惜しくも準優勝の「静岡産業大学サッカー部」