待ち焦がれた底が知れない若手
3年前、高校の同僚である稲葉洸太郎が代表入りしてサプライズが沸き起こった時に、北原亘が代表のスタメンに名を連ねて活躍するのを誰が想像していただろうか? アルゼンチンとの壮行試合で、小宮山友祐を押しのけて2ndセットに、そして2戦目では1stセット大抜擢され、その期待に応えるプレーをした。鈴村、小宮山の2人で支え続けてきた守備的役割としてサッポと観客の頭の中に刻み込まれた。
BOTSWANA FC MEGURO(現FUGA MEGURO)時代から実力の高さは光っていた。攻撃的なチームの中、最後尾で堅実に守るプレーと、チャンスとあれば大胆にドリブルしシュートまで持ち込む突破力はサッポも気にかけており、代表合宿に選ばれていた。
昨秋は代表合宿と東海リーグが重なったために、ポルトガル遠征には選ばれなかったものの、太陽薬品/BANFF(現名古屋オーシャンズ)での3冠という結果が物語るように、堅実な守備と圧倒的なフィジカルは日本中に知らしめた。そして、3月のブラジル遠征で代表のポジションを勝ち取った。
フットサルに人生を賭ける
順風満帆にステップアップしているが、決してその道のりは楽ではない。BOTSWANAが関東リーグに昇格した2シーズン前に大学を卒業し、一流企業に就職したものの、ハードな仕事で毎晩帰宅は深夜になり、練習もほとんど出来ない状況が半年近く続いた。
「1度しかない人生だから」フットサルのために退職した。その後、BOTSWANAでの活躍が認められて太陽薬品から声がかかるも、初めてのプロに迷いもあった。しかし、分岐路で決断してからはひたすら直進してきた。
3年前は北原の今の活躍を誰も予想しなかっただろうが、今なら誰もが彼の実力に異論を唱えない。この3年間での成長スピードを見れば、これからの3年間は更なる伸びを否が応でも期待してしまう。
アジア王者を続けるために稲葉に続く待望の若手が、今ようやく現れた。