欲しい時に決める、それがグレゴール!!
AFCで昨年初めてフットサルの年間最優秀選手賞が設立され、その表彰式の壇上に立った男が、木暮賢一郎だった。
スペインでプレーしてもう丸2シーズンになる。サイドからの鋭いドリブルとテンポの速いシュートは日本の時以上に磨きがかかったが、それ以上に進化が見られたのは、オフ・ザ・ボールでの相手のマークを外す動きである。決してフィジカルに恵まれているわけではない日本人が海外で通用するためには、良い状態でパスを受けることが必要である。木暮も例外ではなく、日本ではパスを貰ってからドリブルを仕掛けて勝負していたのが、スペインでは全く勝負をさせてもらえない。だからふつうならそこで壁にぶつかり、1年が終わってしまう。1年目はチームメイトに実力を認めてもらうだけでも上出来なのだが、彼はそれを見事に克服。得点ランキング上位に入る結果も出して、チームではエースとして君臨した。
先輩の悔しさを継承
木暮がそこまでするのは、一昨年のアジア選手権の優勝を逃したこともある。無敵の王者イランを予選で倒しながらも、決勝では苦杯。イランの表彰式を傍観した時の悔しさは1年間忘れられなかった。スペインでの経験と結果をひっさげて、昨年のアジア選手権ではチームを牽引。イラン戦では逆転ゴールを決め、決勝では先制点を決めた。
今でこそ日本のエースだが、常にエースというわけではなかった。第2回のアジア選手権では選考されながらも落選し、日本は世界選手権の切符を逃した。そして、その時のメンバーから代表の重みを伝えられた。だからこそ、代表には人一倍思い入れが強く、それを若手にも継承しようとアドバイスを積極的に送る。稲葉や北原をはじめ、多くの若手が彼の言葉で大きくなった。
アジア選手権では彼の得点、グレゴールが期待されるが、「グレ、グレ、グレ、グレゴール〜♪」の応援歌が流れたときには必ずやってくれる。なぜなら彼は日本のエースだから。
Profile:こぐれ けんいちろう 1979年11月11日生 175p、65s ナサレノ(スペイン)所属