着実に成長する縁の下の力持ち
フットサルタイムズの今大会の最初の得点者予想では、ゴレイロにも票が入るのに小宮山は大会開催間際まで0票だった。それを見ていた本人は、「絶対に点を取ってやる!」とひそかに思っていた。
しかし、小宮山の最大の持ち味は守備であり、木暮のように得点を求められているわけではない。もちろん、小宮山自身もそれを十分わかっている。けれども、大穴として周囲を驚かせたい気持ちがあった。
過去の日本代表の守備陣では鈴村が抜きんでた存在だった。そのため、彼1人に頼らざるをえない部分があった。しかし、昨年の大会では小宮山が急成長を遂げ、サッポの中で小宮山を守備要員として計算できるようになった。
以前は、守備をこなせれば良いという考えだっただろう。ただ、小宮山にとって守備だけでは鈴村越えを果たす事はできない。しかし、自分が得点を取れる選手だとも思っていないし、チームのリズムを乱してわがままなプレーをするのを彼は好まない。となると、できる事は点を取る選手の手助けしかない。そのために、守備のために後ろにいるだけでなく、時には前線に抜けたり、囮になることも必要だと考えるようになった。
その大人な考えが彼をひとまわり成長させ、大穴を狙う余裕も生まれた。
自分の出場時間よりもチームの優勝
小宮山にとってセンセーショナルな体験が昨年のポルトガル戦での大敗だった。「アジア選手権で優勝し天狗になったわけではないけれども」とアジアで頂点を取ってわずか半年後に、世界との差をまざまざと見せつけられた。10点差以上つけられたのは、ファイルフォックスで3冠達成後に出場したインターコンチネンタルカップ以来だった。
しかし、ポルトガルの圧倒的なスピードとシンプルなプレーを自分たちができないことは無いと思い、彼らが新たな目標になったという。
そして、今大会。壮行試合や予選では北原に出場時間を奪われがちになっている。それでも、「(北原)亘が頑張っているからね」と若手の台頭を感じてはいるものの、変なプレッシャーは無い。それは、彼にとって大事なのは出場時間ではなく、チームの勝利だからだ。
「自分の出場時間よりもとにかく優勝」と公言するように、本当は得点も自分が決める必要は無いと思っている。
点を取る木暮や守備もできて点も取る鈴村、若手で結果を出す北原に注目しがちだが、彼らの影には自分を犠牲にできる小宮山がいる事を忘れてはならない。
Profile:こみやま ゆうすけ 1979年12月22日生 172p、72s バルドラール浦安所属