text : Ayakana Sugiura
photo : Hiroaki Katsumata(futsal grapchic)
高橋健介

健介祭りを再び

木暮、小野ら79年が今の日本の攻撃を支えているが、その次の世代として期待されているのが3年下の82年世代で、その中心として期待され続けているのが高橋である。

最前線で攻撃となるピヴォとしては決して身体が大きいわけではない。しかし、ピッチの4人が動いてパスをつないで崩す現代のフットサルにおいて、求められるのは身体よりもむしろ卓越したボールコントロールである。高橋は今の日本代表の中でも最もボール捌きの上手い選手。そして、フィジカルを求めるならば小野や小山がいる。

さらに、日本にとって最大の武器は木暮のサイドからの1対1だが、縦にも中にも入れる技術を持つ高橋のサイド突破も日本にとって有効なオプションの1つになる。 だからこそ、今の日本代表で一味違う持ち味の彼の存在が欠かせない。

そろそろ来るはず

この1年の実績を見るだけでは、高橋は決して活躍をしているわけではない。ポジションは異なるものの落選した稲葉洸太郎や前田喜史の方が実績を残してきた。それでもフットサルファンは高橋に期待をしてしまう。
なぜなら、彼の爆発を知っているから。2005年のベトナムで開催された第7回アジア選手権、高橋はインドネシア戦で大爆発。前半だけでハットトリックを決めて日本の大勝に貢献した。そのときの事が「健介祭り」と名づけられるとそれ以降、大舞台ではいつも祭りが期待されるようになった。

ここ最近は彼の祭りがあまり見られないが、昨年のポルトガル遠征での中国戦では残り30秒で逆転シュートを決めたのも彼だった。最後の最後とはいえ、期待に応えてくれるのは彼の持ち味はまだ錆付いていない証拠である。

日本の連覇には彼の祭りは必要不可欠。それに日本開催の今年にやらずしていつやるのか?健介祭りの再来を誰もが期待している。

Profile:たはかし けんすけ 1982年5月8日生 173p、68s バルドラール浦安所属